キューバ人は偉大な発明家

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キューバ人は偉大な発明家
キューバ人 vs. 日本人(謎の扇風機騒動)
by Marlenlinea_luz

灼熱のハバナの昼下がり。遠路はるばるキューバを訪れた日本の友人と私の父は、我が家のリビング・ルームで葉巻をプカプカふかしながら向き合っていた。

当初二人は、ごくありふれた時候の挨拶だの、キューバ/日本の時差など当たり障り無い会話に終始していた。しかし、どこでどう脱線したのか会話は妙な方向に突っ走って行った。二人は美しいコバルト・ブルーの海に囲まれたキューバで、何と日本製の扇風機について議論を始めたのだ。どちらが振った話題かは知らないが、何ともおかしな話だ。

珍しいというか何というか、二人ともお互い扇風機に関しては一家言あるようなのだ。そして、父の意見と日本の友の意見は真っ向から対立していた。「三洋電機の製品はパナソニック製より優れている・・・」という父の意見に、我が友が承伏しかねている。お互い自分の意見に固執しやりあっている。横で聴いていると馬鹿みたいな話なのだが、二人にとってはセンセーショナルな話題みたいなので致し方ない。

日本の友 「セニョール!誠に恐縮なんだけど、もうちょっと言わせてください。まず断っておかねばならないのですが、僕はナショナリストではありません。次に、僕はいわゆるメイド・イン・ジャパンというものに別段誇りを持っていません。ただ、何の因果か僕は日本人なのです。つまり、気を悪くしないで下さいよ。日本の事は残念ながら僕の方が知っていると思うわけです。という前提の元で再度申し上げます。パナソニックの方が三洋電機よりあらゆる面で優れているのです」

父は彼が話し終えるまで目をつぶり黙って聴いていたが、そっと開いた眼には闘志の炎が宿っていた。

私の父 「分かった。日本の友よ!それじゃあ、現物で検証しながらどちらが正しいか答えを出そうじゃないか」

日本の友 「いいですよ。そんな事が可能なら」

さて、事もあろうか父は、どこで手に入れたのかは知らないが、物置から本当に2台の扇風機を運んできたのだ。

かわいそうな扇風機!二人のカニバリスト達は「あーでもない、こーでもない」と、何と2時間以上も大騒ぎしながら、モーターのコイルに至るまで全てをバラバラにしてしまったのだ。

我一家の開いた口は塞がらなかった。こんな不毛な事に熱中する二人にすっかり呆れ果てていたのだ(それに二人とも家電関係とは全く縁もゆかりもない仕事をしているのに)。しかし、それはともかく結論は出たようだ。我が友の顔面が引き攣っている。

日本の友 「お、恐れ入りました。ブランド志向の日本人を常々笑いものにしてきた私とあろうものが、ブランド教にすっかり洗脳されていたようです。セニョールからは物事の本質とは何かを学ばせて頂きました。信じる前に疑え・・・原点に立ち返れたような気がしています。ご教授ありがとうございました」

この「大袈裟な日本の友」は、それ以来すっかり私の父を尊敬するようになり、また、三洋電機にも敬意を表するようになったとの事です。

さて、私たちキューバ人というのは子供の頃より好奇心が強く、オモチャにしても何にしても、そのメカニズムを知らなければ気が済まずバラバラに分解してしまう・・・というようなところがあるように思うのです。私の友人達も探求心が異常に強く、自分が理解できるまで、納得するまで徹底的にやるという人が多いです。

必要は発明の母という状況も多少は関係しているとは思うのですが、「空気からだって何か作ってみせるさ!」という気っ風は確かに存在するのです。キューバ人って本当に、想像力によって山積する問題を解決しちゃうんですよね。

さて、何処で仕入れてきたのか知りませんが、私のプロデューサーが、そんなキューバ人の好奇心を証明する絶好の小話があるので紹介したいと言い張っています。本当かなぁ・・

linea_luz
キューバ人と宇宙旅行 by MOMOTOMBO
t-mendez1980年9月。日本人初の宇宙飛行士となったTBSの秋山登寛氏が宇宙空間に出かける10年も前・・・キューバの宇宙飛行士「アルナルド・タマヨ・メンデス」は、ソ連の宇宙船ソユーズ38号に乗って一足先に宇宙に旅立っていた。

当時、キューバ人たちは宇宙に旅立ったタマヨ宇宙飛行士を誇りに思うと同時に、ひどく心配もしていた。何故ならキューバ人はキューバ人の度を超した好奇心の強さを良く知っていた為だ。タマヨ宇宙飛行士とてキューバ人。そんな一人に決まっている。そんなわけで、タマヨ宇宙飛行士が地球に帰還するTV中継には、キューバ中が釘付けになった。人々はタマヨが無事生還できるか心配で仕方なかったのだ。

さて、ロケットが海面に着水しハッチが開き、タマヨ宇宙飛行士が無事その姿を見せた時にはキューバ中が拍手の嵐に包まれた。しかし、タマヨがTVのカメラに向かって手を振った時、人々はびっくり仰天した。その振られた手は何かを物語っていた。・・・タマヨ宇宙飛行士の手は、何故か身体に不釣り合いなくらい大きく腫れあがり、まるでグローブをはめているように見えたからだ。

その話題でキューバ中が持ちきりになった。様々な憶測が流れたが、いつの間にか以下のような話が、まことしやかに囁かれるようになっていた。

タマヨ宇宙飛行士はソユーズ38号の船長であるソ連人ロマネンコからいくら注意されても、必要時以外は触ってはいけない計器類をいじったり、はたまた分解しようとするので、パニックに陥ったロマネンコ船長が、何度もタマヨの手を叩いて注意せざるを得なかったというのだ。

ロマネンコ機長 「だ、駄目だったら!それに触っちゃ!(バシッ!)
ロマネンコ機長 「あーっ、ど、どーして分解するの!(バシッ!)
ロマネンコ機長 「わー!タマヨ!窓を開けちゃ駄目だ!(バシッ!、バシッ!)

マルレンから一言:
「これは絶対にモモトンボのフィクションに違いない!尊敬するタマヨさん。御免なさい!」